【感想】髑髏城の七人 season花

織田信長が花と散り八年。
天魔王を名乗る一人の男が再び乱世の地獄を再演する。


演劇観るならこれを観ろ。


劇団☆新感線の名公演にして初演1990年より続く名物公演。花鳥風月シリーズの先駆けとして2017年の3月に上演された花の髑髏城。
完成された物語にキャラの立った登場人物たち、主演、小栗旬の熱演が観客たちの心を惹き付ける。


自分が今までに観てきた演劇は新感線の五ェ門ロックとワカドクロ。あとは帝国劇場のエリザベートくらいであまり演劇には縁がない。
そんな自分から一言。


オタクは髑髏城を観てみろ。


普段演劇観ない俺が言うんだから間違いない。
これはお前たちの思う演劇とは違う。芸術だとか思想だとかテーマだとか、そんな堅苦しい概念を置き去りにした本物のエンターテイメントがここにある。


「演劇って堅苦しそう」「役者の演技を楽しめるかな?」「舞台って他のエンタメとはちょっと違うしなぁ……」


そんな心配事は今すぐにやめろ。


無敵の鎧、必殺の剣、三つ巴の乱舞、仲間との友情、多人数での大立ち回り、裏切りと計略。
オタク、こういうの好きだろ?


それでもまだ観る気にならない?
オーケイ、それならとりあえずこれを観ろ。


髑髏城の七人(2011)より、殺陣シーン - ニコニコ動画


これは2011年のワカドクロの殺陣シーンのごく一部。これがごく一部だ。とにかく、派手に動いて斬りまくる。飛んで跳ねて大小道具使って殺りまくる。


上の動画を見れば、本当にこれが演劇で、CG加工一切無しの立ち回りかと驚くことだろう。
よく怪我しないよな。
これが2011年。役者の演技の完成度は相変わらずだが、2017年の花鳥風月では舞台システムがヤバい。

舞台が回る。
背景が回る。
景色が動く。

役者の演技と舞台システムの相乗作用が、舞台に意識を引きずり込む。観客の目線を釘付けにするために、これでもかと演技と演出を見せ付ける。


映画ともアニメとも違う、そこに生きるその瞬間だけの光り輝く演技。やり直しの利かない一度限りの緊張感、空気感。リアルタイムの熱演だからこそ、魅せ付けられるものがある。


王道にして傑作の舞台。
是非とも、オタクに観て欲しい一作です。